空の下で44.期末試験中
7月中旬。
小雨や曇りの日よりも、ムシ暑い日が多くなってきた。
それでも梅雨明け宣言はまだ沖縄と九州だけらしい。
梅雨明けの基準ってのは一体なんなんだ?
ぼくの住む東京郊外の八王子市は都市部ではないので、新宿とかに比べれば爽やかな暑さって話だけど
やっぱり暑いものは暑い。
今日からは期末テストだから、昨日は夜3時まで勉強した。
「アンタもガンバルようになったわねー」
なんて母親が喜んでプリンなんか買ってきてくれたが
なんてことはない。暑くて寝れなかったから勉強してみただけだ。
でも超好きな「パステル」のプリンだったからテンション上がった。
せっかく机に向かったけど、最初の1時間は机の整理整頓に時間を費やしてしまった。
次に1時間は整理してたら出てきたマンガを読んでしまった。
ラスト2時間はちゃんと勉強したんだけど・・・・・。
「あちい・・・」
教室に辿り着くと、思わずそうつぶやいた。
この学校は冷房完備なんだけど、窓側の席は日光がサンサンと降り注ぐから、日光のエリアに入ってしまっているぼくの席は、梅雨の湿度と相まって亜熱帯みたいになってる。
あ、亜熱帯って言葉は昨日、地理の勉強してる時に覚えた。
「よ!英太!今日は張り切ってテストをクリアしようぜ!」
同じクラスの日比谷が元気全開でそう言った。
「元気だねー日比谷は」
「ロンモチだよ!あ?ロンモチってモチロンのことな」
日比谷は何故か腕を組んで偉そうに言った。
「でもよ、英太は勉強してきた?今日は地理と歴史と英語だけど」
「朝3時までしてきたよ」
「マシで?すっげ、すっげ!マジすげーな英太」
そこへ牧野がやってきた。
話しかけようと思ったけど何やら英単語帳を見つめてブツブツ言ってるので話すのはやめておいた。
陸上部のみんなは勉強が苦手なヤツが多いらしい。
未華なんて昨日から青い顔して、おとなしくなってしまった。
体の調子が悪いのかと思って「どうした?具合悪い?」と話しかけたら
「話しかけんな。シャラップ!」とか言って睨まれた。
テストだからってピリピリしすぎだ。
テスト1日目が終わり、すぐに家に帰ってまた勉強だ。
帰りは小雨が降っていた。
おかげで家はムシムシ度がパワーアップしていた。
またも寝れない湿度と暑さなので、しかたなく勉強をする。
明日は数学と化学という理系の日だ。
机の上をさらに整理すると、中学の時に使っていたトランペットの教本が出てきた。
「おー。懐かしいな」
トランペットは今でも好きだ。
吹奏楽の中でも、主旋律を奏でたりすることが多くて人気なパートだ。
トランペットを選んだ理由はよく覚えてないんだけど、これをやれば少しモテたりしないかなーなんて不純な動機も少しあった気がする。
でも全くモテなかった。
やっぱりモテるモテないってのは人間そのものの話だ。
モテるといえば・・・
若井くるみってモテるのかな・・・。
そう思ったとたん胸が苦しくなった。急に不安が襲ってきた。
その不安を取り払うために、勉強に集中した。
期末テストの期間が終わり、テスト返却日となった。
ぼくは連日寝ないで勉強したせいで一夜漬けの効果が出たのか、それほど悪い点数ではなかったので補習とかにはならないで済んだ。
一番点数が悪かったのは牧野で、2科目ほど夏の補習を受けることになってた。
ぼくは未華の点数が悪いんじゃないかと思ってたんだけど学年でトップクラスの点数だった。
あの青い顔はなんだったってんだ・・・。
そうしてぼくらの1学期は終わった。
いろいろあった1学期。
とにかく部活に明け暮れた1学期だった。
なんかあっという間だった。いつもより早く過ぎた気がするのはなんでだろ。
でも一息してる暇はない。
5日後には山梨県の山中湖での夏の合宿が迫っていた。
この山中湖では練習以外での予想外の展開が待っているのであった・・・。
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